「無担保」フリーローンとは?借入前に知っておきたい概要や種類が丸わかり!
無担保フリーローンは、急にまとまったお金が必要になった場合に便利なローン商品です。担保を用意する必要がなく、資金使途も原則自由となっています。無担保フリーローンには注意点もあるため、利用する前に仕組みを理解しておくことが大切です。今回は無担保フリーローンの概要や種類、注意点について解説します。
無担保フリーローンとは
無担保フリーローンとは、担保なしで借りられる個人向けのローンです。多くの金融機関で取り扱っており、「多目的ローン」などの商品名で提供しているケースもあります。
住宅ローンのように資金使途が決まっているローン商品もありますが、無担保フリーローンは幅広い用途に利用可能です。融資可能金額や借入金利、返済期間などの諸条件は金融機関や審査内容によって変わってきます。
フリーローンとカードローンの違い
無担保で利用できるローンには、フリーローンのほかにカードローンもあります。どちらも資金使途は原則自由ですが、「追加融資を受けられるかどうか」に大きな違いがあります。それぞれの特徴は、以下のとおりです。
フリーローン
申請した金額を1度にまとめて借りられるローン商品で、基本的に同一の契約で追加の借入はできません。追加融資を希望する場合は、再度審査を受けて新たにローン契約を締結する必要があります。
たとえば、フリーローンで50万円を借りた後、返済して利用残高が20万円になったとしても追加融資は受けられません。
カードローン
ローン専用カードを使って限度額の範囲内で借入ができる、個人向けローン商品です。限度額の範囲で利用枠が残っていれば、何度でも借入ができます。追加融資を希望する場合、フリーローンのように新たに契約を締結する必要はありません。
たとえば、カードローンで50万円を借りた後、返済して利用残高が20万円になった場合は30万円まで追加融資を受けられます。
無担保フリーローンの資金使途
ローン商品の種類によっては、資金使途が決まっています。たとえば、住宅ローンは資金の使いみちが住宅の建築や購入、リフォームなどに限定されています。
目的ローンの場合は契約で定められた資金使途の違反が発覚した場合、金融機関から残債の一括返済を求められる可能性もあるので注意が必要です。
ここでは、無担保フリーローンの資金使途について解説します。
借入金の使いみちは原則自由
無担保フリーローンの資金使途は原則自由です。急にまとまったお金が必要になった場合に利用しやすいローン商品といえるでしょう。ただし、一部制限が設けられており、以下のような使いみちには利用できません。
- 事業性資金
- 投機性資金
事業の運転資金や設備を購入するための資金、株式や投資信託といった有価証券に投資する資金としての借入は認められません。
資金使途を確認するために、金融機関から見積書や契約書などの提示を求められることもあります。
資金の使いみちの具体例
無担保フリーローンで認められる、資金の使いみちの具体例をまとめました。
- 結婚費用
- 旅行資金
- 引っ越し費用
- 家具・インテリアの購入
- パソコン・周辺機器の購入
- 趣味の道具の購入
日々の生活において、まとまったお金が必要になるさまざまなシーンで利用可能です。金融機関によっては、ローンの借り換え資金として利用できる場合もあります。
無担保フリーローンを利用できる人・審査基準
無担保フリーローンでは一定の利用条件が設けられており、ローン審査に通過する必要もあります。ここでは、無担保フリーローンを利用できる人の条件や主な審査基準について解説します。
年齢条件
無担保フリーローンの年齢条件は、多くの金融機関で申し込み時に20歳以上となっています。
2022年(令和4年)4月からは成人年齢が18歳に引き下げられ、親の同意なしでローン契約が可能となります。ただし、無担保フリーローンの契約可能年齢が引き下げられるかは不透明な状況です。
一方、年齢の上限は申し込み時が65〜70歳、完済時が70〜80歳に設定されているケースが一般的です。
安定収入があること
無担保フリーローンは、安定収入があることが利用条件となっています。債務者の収入がローン返済の原資となるため、安定収入の有無は重要な審査項目です。
金融機関によっては「年収◯万円以上」といった基準が示されています。
保証会社の保証を受けられること
無担保フリーローンは、保証会社の保証を受けられることも利用条件です。ローンを返済できなくなった場合は、保証会社が債務者に代わって残債を返済する仕組みになっています。保証会社の審査に通過すると保証を受けられます。
他社の借入状況
無担保フリーローンでは、他社の借入状況も審査項目です。現在の借入金額や過去の返済歴などを確認し、ローンを問題なく返済できるかを判断します。
すでに複数の金融機関から融資を受けていて、ローン残高が大きい場合は審査に通らない可能性があります。過去にクレジットカードやローンを長期間延滞し、信用情報機関に登録されていると融資を受けるのは難しいでしょう。
無担保フリーローンのメリット
金融機関はさまざまなタイプのローン商品を扱っていますが、無担保フリーローンには以下のようなメリットがあります。
審査のスピードが早い
無担保フリーローンは、有担保ローンに比べて審査のスピードが早いのがメリットです。有担保ローンは申込者の属性だけでなく、担保とする資産の価値も評価しなくてはなりません。そのため、審査結果が出るまでに時間がかかる傾向にあります。
一方、無担保フリーローンの場合は申込者の収入や勤務先、勤続年数といった属性が主な審査項目です。担保の評価が必要ないので、審査結果が早く判明します。
WEBから申し込み可能
金融機関によっては、WEBから申し込むことも可能です。申込フォームに必要事項を入力し、本人確認書類などをアップロードするとメールや電話で審査結果を知らせてくれます。契約手続きもWEBで完結し、手続き完了後に資金が口座に振り込まれます。
来店する必要がないため、空き時間などを使って必要な資金をすみやかに準備できるのがメリットです。WEB申し込みで金利優遇を受けられる金融機関もあります。
担保・保証人なしで利用できる
無担保フリーローンは、無担保・無保証で融資を受けられるのも魅力です。
金融機関で融資を受ける場合、ローン商品の種類によっては担保や保証人を用意しなくてはなりません。
連帯保証人を探さなくてよい
ローン商品の種類によっては連帯保証人をたてなくてはなりません。ローンを返せなくなると保証人が自分の代わりに弁済義務を負うことになります。そのため、「できれば頼みたくない」「迷惑をかけたくない」と思う人もいるのではないでしょうか。
無担保フリーローンは保証会社の保証を受けられることが利用条件なので、保証人をたてる必要はありません。
借入限度額は比較的大きい
無担保フリーローンは、比較的まとまった資金を借りられます。金融機関や属性によって変わってきますが、借入限度額は最大で1,000万円程度です。まとまった資金が必要な場合は、無担保フリーローンも選択肢となるでしょう。
長期間の借入が可能
無担保フリーローンは、比較的長期間の借入が可能です。金融機関によって違いはありますが、10〜15年の長期にわたって融資を受けられるケースもあります。
借入期間が長くなれば、毎月の返済額を抑えることが可能です。ただし、返済期間が長くなるほど利息負担が増える点には注意しましょう。
無担保フリーローンの注意点
無担保フリーローンはメリットだけでなく、デメリットも存在します。実際に利用する場合は、以下の点に注意が必要です。
有担保ローンに比べると金利が高い
債務者がローンを返済できなくなった場合、担保があれば抵当権を実行し、売却代金を残債の回収に充てられます。
しかし、無担保フリーローンには担保がないので、債務者の収入のみが返済原資となります。貸付金を回収できなくなるリスクに備えるために、金融機関は適用金利を高めに設定する必要があるのです。
無担保フリーローンの金利は幅が広く、借入金額や属性によって適用利率が変わってきます。担保にできる不動産などがある場合は、有担保ローンの利用も検討するとよいでしょう。
追加融資は受けられない
無担保フリーローンは、申請した金額を1度だけ借りられるタイプのローン商品です。カードローンのように、限度額の範囲内で繰り返し借りることはできません。ローン返済を進めて限度額より残債が少なくなったとしても、同一の契約において追加融資は受けられません。
ただし、別口で申し込み、審査に通過して新規契約を行うことで新たに融資を受けることは可能です。
無担保フリーローンの利用方法
無担保フリーローンを申し込むときはどんな書類を準備して、どのような流れで手続きを進めればよいのでしょうか。ここでは、無担保フリーローンの利用方法を紹介します。
申し込み・手続きの流れ
一般的な手続きの流れは以下のとおりです。
- 金融機関のホームページで申し込み情報を入力する
- 申し込み内容をもとに審査が行われる
- 審査結果の連絡
- 来店またはWEBで契約手続きを行う
- 契約後、所定の手続きを経て口座に入金される
本人が申し込む必要があり、誰かに代理を頼むことはできません。申し込み内容に不明な点がある場合は、金融機関から確認の連絡が入ることがあります。審査結果によっては、融資を受けられないこともある点に注意が必要です。
審査に通過して契約を締結すると、後日普通預金口座に融資金が振り込まれます。
申し込み時の必要書類
申し込み時の主な必要書類は以下のとおりです。
- 本人確認書類(運転免許証、マイナンバーカードなど)
- 印鑑(届出印)
- 保険証の写し
- 収入を証明する書類(所得証明書、源泉徴収票など)
資金使途によっては、見積書や契約書の提示を求められる可能性があります。スムーズに手続きができるように、金融機関に問い合わせて必要書類を準備しておきましょう。
返済方法
無担保フリーローンの返済方法は、毎月元利均等返済が一般的です。
元利均等返済とは、毎月の返済額(元金+利息)が一定となる返済方法です。返済当初は利息部分の割合が多く、返済が進むにつれて元本部分の割合が増えていきます。毎月同じ金額を返済するので、返済計画が立てやすいのが特徴です。
金融機関によっては、毎月の元利均等返済と6ヵ月ごとのボーナス増額返済との併用が可能です。ボーナス増額返済の併用は一定の条件が設けられていることもあるので、詳細は金融機関に確認しましょう。
まとめ
無担保フリーローンは審査スピードが早く、資金使途が原則自由であることがメリットです。担保を用意する必要がないので、急にまとまったお金が必要になった場合に気軽に利用できます。
ただし、有担保ローンに比べると金利が高い傾向にあります。毎月ローンを返済する必要があり、利息負担も生じるので借りすぎには十分に注意しましょう。