フリーローンのメリット・デメリットとは?気になる基礎知識や申し込みの流れについて

フリーローンのメリット・デメリットとは?

「フリーローンにはどのようなメリット・デメリットがあるの?」「フリーローンを検討しているけどよく知らないから不安」と考えていませんか。この記事では、フリーローンのメリット・デメリットや申し込みの流れなどを紹介します。メリット・デメリットをもとにフリーローンに申し込むか検討できるため、ぜひ参考にしてください。

フリーローンとは

まず、フリーローンとは何かを解説します。ほかのローンとの主な違いや、フリーローンの特徴を見ていきましょう。

フリーローンは使い道が自由なローン

ローンにはさまざまな種類があり、大きく分類すると「使途自由なローン」と「使途が決まっているローン」があります。

  • 使途自由なローン:フリーローン・カードローンなど
  • 使途が決まっているローン(目的別ローン):住宅ローン・マイカーローンなど

フリーローンはカードローンより融資上限額が高い傾向があり、よりまとまったお金が必要なときに役立ちます。「目的別ローンに当てはまらないけどまとまった資金が欲しい」といった場合は、フリーローンが便利です。

フリーローンの基本形態は「証書貸付」

フリーローンは借入金額がまとめて振り込まれ、決められた期間や金利などに沿って計画的に返済をおこないます。フリーローンのように1回の借入ごとに契約書を交わし、満額で借入れる形態が「証書貸付」です。

カードローンはお金を使いたいタイミングで随時借りられますが、フリーローンは基本的に一度にまとめて借りる必要があります。

フリーローンの5つのメリット

フリーローンの5つのメリット

フリーローンはお金の使い道が自由という意味では、カードローンとよく比較されます。ここではカードローンとの比較もまじえつつ、フリーローンのメリットを見ていきましょう。

フリーローンのメリットは、以下の5つです。

1.お金の使用目的が自由

フリーローンのひとつ目のメリットは、お金の使途が決まっていないことです。借りたお金をどのように使用するか、目的を自由に決められます。

目的別ローンの場合は住宅・マイカー購入費用など、ローンによって決められた目的通りに使う必要があります。とはいえ、自分が使いたい目的に合うローンが必ずしもあるとは限りません。フリーローンであれば、次のような使い道でも借入ができます。

  • 趣味のアウトドア用品を購入したい
  • 引っ越し費用にあてたい
  • 家具を購入したい
  • 他社ローンをまとめたい

「目的別ローンに当てはまらない使途だが、まとまった資金が欲しい」場合は、フリーローンが便利です。

2.カードローンより金利が低い場合がある

フリーローンは、カードローンより金利が低くなる場合があります。

金利参考(宮崎太陽銀行)
基準金利(年)
フリーローン 4.0%〜14.6%
カードローン 5.8%〜13.8%

最低金利を比較するとフリーローンは年4.0%、カードローンは年5.8%となり、フリーローンの方が低いです。金利が低ければ、トータルの返済額を抑えられます。

ただし、金利は金融機関によって設定が異なります。中にはカードローンの方が低い金利設定の場合もあり、必ずしも最低金利が適用されるわけではありません。審査によって決まるため、実際の金利についてはローンの申し込み先に問い合わせましょう。

3.借入の上限金額が高め

フリーローンは、カードローンより借入の上限金額が高めに設定されています。

融資金額参考(宮崎太陽銀行)
融資金額
フリーローン 最高1,000万円
カードローン 最高100万円

フリーローンは一括でまとめて借りるのが基本形態なので、十分な金額を借りられるよう上限額が高く設定されています。そのため、資金使途に合わせて柔軟に借入金額を決められるのです。

4.カードローンより審査が優しい

フリーローンは、カードローンより審査が優しい傾向です。カードローンは限度額内なら繰り返し借入できる性質から、気軽に借りすぎてしまう恐れがあります。そのため金融機関は、返済能力があるか慎重に審査しなければなりません。その点、フリーローンは基本的に1回の借入となり、自分の返済能力以上に繰り返し借りすぎてしまうことを防げます。

ただし、これはあくまでフリーローンとカードローンを比較した場合の話です。「フリーローンの審査は甘い」という意味ではありません。どのようなローンであっても、融資した側は貸し倒れのリスクを防ぐために、返済能力があるかを慎重に審査すると考えましょう。

5.初回の借入はカードローンより早い

初回の借入時は、カードローンよりフリーローンの方が早く借りられる場合があります。カードローンは、ローン用カードの発行および郵送に時間が必要なためです。特に土日祝など金融機関の休みを挟む場合は、時間に余裕をもって申し込むのがおすすめです。

ただし、すでにローン用カードを発行済みの場合は、カードローンの方が早く借りられます。ローン用カードが手元にあれば、身近なコンビニATMで借入金を引き出せます。また、オンラインで自分の口座へお金を振り込むことも可能なため、即金性が高いです。

フリーローンの2つのデメリット

フリーローンの2つのデメリット

フリーローンのデメリットは以下の2つです。
どちらもフリーローンの大きな特徴でもあるので、それぞれ見ていきましょう。

1.最長返済期間が決まっている

フリーローンは返済期間が商品ごとに決まっています。例えば5年の返済期間なら、必ずその期間内に完済しなければなりません。順調に返済するには、最初に返済計画をしっかり立てる必要があります。

カードローンの場合は毎月返済しなければならない金額は決まっていても、返済期限は定められていません。ただし完済まで長くなるほど支払う金利も多くなるため、その点を考えながら早めに返済することが必要です。

2.追加の借入はできない

フリーローンは、1回の契約でまとめて借入金を受け取る「証書貸付」という形態です。別口で申し込むなどの方法を除き、フリーローンは基本的に追加で借入できません。追加で資金が必要になった場合は、ほかのローンなどを検討する必要があります。

一方でカードローンの場合は、限度額内なら自分の好きなタイミングで繰り返し借りられます。旅行資金用に10万円を借りる、家電購入用に30万円を借りるといったような使い道も可能です。

フリーローンの申し込みに必要な書類

フリーローンの申し込みに必要な書類

ここでは、フリーローンの申し込みに必要な書類を説明します。

基本は「本人確認書類」と「印鑑」が必要

ほとんどの場合に必要になるのは、本人確認書類と印鑑です。本人確認書類は運転免許証やマイナンバーカードなど、顔写真付きの書類が望ましいです。もし健康保険証を提出する場合は、住民票などほかの確認書類もあわせて提出を求められる場合があります。なおWeb完結型の申し込みなら、印鑑が不要な場合もあります。

一定額を超える借入には年収証明が必要

一定額以上の借入を希望する場合は、年収を証明する書類の提出が必要です。収入を確認できる書類には、所得証明書や源泉徴収票などが当てはまります。借入希望金額が金融機関の定める金額を超える場合のみ、準備するよう求められます。

フリーローンの審査・申し込みの流れ

フリーローンの審査・申し込みの流れ

ここでは、フリーローンのWeb申し込みの流れを紹介します。宮崎太陽銀行を例にすると、以下の2種類があります。

来店が必要な申込方法

  1. 申込情報の入力(PC・スマートフォン)
  2. 申込内容の確認連絡(電話)
  3. 必要書類の提出
  4. 審査および審査結果の連絡(電話)
  5. 契約手続き(来店)
  6. 融資金額の入金

窓口へ行く時間がある人や、オンラインだけで借入手続きをするのが不安な人は来店して申し込むのがよいでしょう。

Web完結型の申込方法

  1. 申込情報の入力(PC・スマートフォン)
  2. 必要書類のアップロード
  3. 審査および審査結果の連絡(電話)
  4. 契約手続き(Eメール)
  5. 融資金額の入金

Web完結型の申し込みは電話確認の工程が少なく、来店する必要もありません。電話や来店の時間が取りにくい人や、スピーディに申し込みたい人におすすめです。

審査の中で職場への在籍確認を電話でする場合があります。どのような電話がかかってくるか事前に知りたい人は、ローン申し込み先の金融機関へ内容を確認してみましょう。

フリーローンを利用する際の3つの注意点

フリーローンを利用する際の3つの注意点

フリーローンを利用する際は、次の3つの点に注意しましょう。

これらに注意しないと、ローン返済に苦労したり必要なお金が手元に集まらなかったりする可能性があります。それぞれの注意点について解説します。

1.返済計画をしっかり立てる

フリーローンは融資上限額が最高1,000万円など借入額が大きいため、利用する際は返済計画をしっかり立てましょう。上限額が大きいからこそ、きちんと返していけるか返済計画を立てることが重要です。

金融機関のシミュレーションサイトを使えば、月々の返済額やボーナス月の返済額などを確かめられます。フリーローンは、比較的長期間かけて返済していくことになります。現在の収入で返済できるかだけでなく、転職や出産などライフステージの変化も視野に入れて無理のない返済計画を立てましょう。

2.使途によっては目的別ローンを検討する

ローンの使い道によっては、フリーローンではなく目的別ローンを検討しましょう。目的別ローンによっては金利や借入枠、申込手続きなどの面でお得になることがあります。フリーローンと目的別ローンの内容について、一覧で比較してみましょう。

フリーローンと目的別ローンの比較(宮崎太陽銀行)
フリーローン 教育ローン マイカーローン リフォームローン
用途 自由
  • 受験費用
  • 入学金
  • 授業料 など
  • 車購入費用
  • 車検代
  • 車修理代 など
  • 自宅の増改築
  • 各種リフォーム など
基準金利(年) 4.0%〜14.6% 変動2.70%〜4.00%
固定3.20%〜4.50%
変動2.50%〜3.80%
固定2.80%〜4.10%
変動2.15%~3.25%
固定3.00%~4.10%
融資金額 最高1,000万円 最高1,000万円 最高1,000万円 最高1,000万円
返済期間 最長15年 最長15年 最長10年 最長15年

特に金利については、フリーローンと目的別ローンでは大きな違いがあります。どのローンを申し込むのが最適か迷った際は、金融機関の窓口や電話で相談してみるのもおすすめです。

3.時間に余裕をもって申し込む

フリーローンの申し込みは、時間に余裕をもっておこないましょう。申し込んでから実際にお金が入金されるまでは、さまざまな工程を経るため時間がかかります。フリーローンの手続きに掛かる期間は、1~2週間ほどが目安です。

審査のための電話確認や本人確認書類の提出などがあり、スムーズに連絡がとれない場合は時間がかかることもあります。「お金が必要な日までに準備できなかった」という事態を避けるためにも、早めに申し込みましょう。

フリーローンに関するよくある疑問4選

フリーローンに関するよくある疑問4選

最後に、フリーローンに関するよくある疑問を紹介します。

1.フリーローンとカードローンの違いは?

フリーローンとカードローンの違いはいくつかあるため、両者の比較を一覧にまとめました。

フリーローン カードローン
最低金利 低め 高め
融資金額 高め 低め
返済期限 あり なし
借入回数 1回の契約につき原則1回 限度額まで繰り返し可能

2.窓口に行かないとフリーローンへ申し込めない?

窓口へ行かずに申し込める方法もあります。Web完結型の申し込みであれば、PCやスマートフォンから手続きできます。ただし、電話申し込みの場合は、基本的に来店が必要です。

3.フリーローンの審査に落ちたらどうすればよい?

フリーローンの審査に落ちた場合は、有担保ローンを検討するのもひとつの手です。有担保ローンとは、不動産や保証人を担保に借入するローンです。フリーローンは無担保ローンのため、申込者の返済能力のみで審査が決まります。しかし有担保ローンなら、担保を差し出すことで審査に通る場合があります。

4.年収証明書類は必ず提出するの?

借入金額によっては提出する必要はありません。一定額以上の借入をしたい場合は、返済能力を確かめるために提出を求められることがあります。なお、年収証明書類には以下のようなものが当てはまります。

  • 所得証明書
  • 源泉徴収票
  • 支払調書
  • 給与の支払明細書
  • 確定申告書
  • 青色申告決算書

まとめ

フリーローンは資金を一括で借りられて、まとまったお金が必要な場合に助かるローンです。一方で、完済までの期間がきっちり決められているため、計画的な返済が必要です。フリーローンを検討している人は、まず金融機関への相談から始めてみましょう。

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澤田 真里奈
著者:澤田 真里奈
2級FP技能士
地方銀行へ入社し、貯金・ローンなど金融商品の販売に従事。 その後、不動産業界へ転職して社会保険や労務管理を担当しながらFP資格を取得。自身の経験から“お金を無駄にしないための”アドバイスをおこなう。